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05.もう、君の手が冷たいんだ・・・。
日の長かった夏から、夜の長い秋へと季節が変化していくこの時期、 恋しくなるのはやっぱり、人の温もりだったりする。
手袋やマフラーじゃ覆いきれないもの。
暖かいもの。
今日は何故か、「校門で待ってて!」という結。
何か意図があるのだろう、と冷たい風を受けながら、 校門で結が来るのを待つ。
「さみっ…。」
そう呟くと、肩にふわり、と暖かいものがかけられた。
「??」 「ゴメン、お待たせ!」 「お、おう!これは?」
肩にかけられたままのマフラーに疑問を持って結に聞いた。
「プレゼント。最近、寒いからね。」 「…、ありがとう。」
「で、何で校門だったんだよ?」 「外の方が寒いから、マフラーしてくれるでしょ?」 「…ばーか。」
結の可愛い小細工に、照れて結の手を握る。 握るともう、君の手が冷たいんだ・・・。
「ちょ、お前手冷たすぎるだろっ!!」 「それは…まあ。」 「もしかして、待ってた?外で。」 「え?…あ〜…うん。」
結は、俺が校門で待つよりも前から校門で待ってたらしい。 そして、俺の体が寒くなる頃を見計らって出て来たとか。
「ばかかっ!」 「だって…、」 「だって、じゃないってマジで。」
気付かなかった自分に多少の怒りを感じながら、 結をギューッと抱きしめた。
「剣十、ちょっと痛い。」 「お前には、痛いくらいでいいんだよ。」
「ったく、こんな事しなくても、俺は結がマフラーくれただけで嬉しいし、 大切にするから。」 「そうだけど…。」
「言い訳すんなよ…。…風邪ひいたらどうしてたんだよ。」 「剣十にお見舞い来て貰えるから、それもいいな。」
いつの間にか、幸せそうな顔で俺の胸に顔をうずめる結。
「ほんと、敵わないわ。」
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