藍々 碧

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レッドtitle



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01.毒りんご
02.サンタクロースになった日
03.夕日に映る君
04.いちごみるく
05.初めての口紅

04.いちごみるく

「おい。3番地赤い屋根の家、Cmarno・Chrisの家に着いたぞ。」
「ありがとう、えーっと、部屋は…2階の左奥で、くまのぬいぐるみか!」
「俺たちは、待ってるよ。」

クリスちゃんの部屋に入ると、テーブルの上にコップとメモがありました。

『サンタさんへ 寒い中ありがとう。
是非、私の作ったいちごみるく飲んで体を温めてください。』

なりきりサンタは、心を痛めました。

「私は、本物のサンタじゃなくて、似非サンタなのに…。」

そうでした。
サンタは、サンタではなく小人にサンタに変えられた女の子なのです。

「…でも、彼女の気持ちは裏切れないよね。」

そう、自分に言い聞かせ、サンタはいちごみるくを飲みました。

ブフッー!!

まっず!!!!!!!!!!

6歳の女の子クリスちゃんの作ったいちごみるくは、サンタが噴出すほど
まずかったようです。

「…でも、飲まなきゃ…」

なんと!サンタは、飲み干しました。
素晴らしい!

「お腹痛くなってきたかも。。次、行こう。」

クリスちゃんの寝ている枕元にくまのぬいぐるみを置いて…。
サンタは次の家へと向かいました。

「おい。7番地瓦屋根の家、Toy・Machineguns・Tomの家に着いたぞ。」
「ありがとう、えーっと、部屋は…1階の玄関横で、機関銃…のおもちゃ!」
「俺たちは、待ってるよ。」

トムくんの部屋に入ると、またテーブルの上にコップとメモがありました。

『サンタさんへ 俺の欲しいものは、機関銃です。
なぜ欲しいかというと、敵がくるので危ないからです。
家族を守るためです。
でも、ママとパパにそれを言ったら怒られたのでおもちゃで我慢します。
本物が良かったな。サンタさん、約束のいちごみるく作ったから
飲んでください。来年は、本物が欲しいです。』

なりきりサンタは、驚きました。

「本物が欲しい?!ダメだろ!!」

そして、また心を痛めました。

「サンタとの、約束…でも、約束したのはサンタであって、私じゃないのにな…。
 飲んでもいいのかな。」

そういいつつも、サンタは裏切れないと思い、マズイのかな、と不安な気持ちを抑え
いちごみるくを飲みました。

「!!!!!!うまっ!!!何これ?!」

トムくん5歳の作ったいちごみるくはクリスちゃんとは、
比べるのも申し訳ないほど美味しかったのです。

不思議に思いました。

「なんでこの街の子はいちごみるくを…?」

そう、この街ではサンタにプレゼントを貰う代わりに
子ども達はいちごみるくをサンタに贈る、という習慣があったのです。

そしてまた、だからサンタが太っているのだ、と教えられてきたのです。

それを知らずに…いや、サンタは知っていたのかもしれません。
そのいちごみるくを、飲まないという事が、
子どもの気持ちを一番踏みにじる行為であることを…。

「さて。次、行こう。」

サンタはトムくんの寝ている枕元に機関銃のおもちゃを置きました。
そして、メモを残しました。

『トムくん。君のいちごみるくは、最高に美味しかったよ。ありがとう。
機関銃の本物は、あげることは出来ないけど、我慢してね。
君が機関銃が欲しい理由は、家族を守るため…。
だけど、君は機関銃ではなく、他の方法で家族を守る事が出来るはずだよ。
来年、それが解ったらまたいちごみるくを、お願いするよ。』

サンタは次の家へと向かいました。

何軒も…何軒ものいちごみるくを飲みました。
お腹もいっぱいになりました。
でも、気持ちもとても暖かくなったのです。

いよいよ、プレゼントも残すところひとつ。


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