[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[05B]


そして俺はLをゴミ箱に捨てた。

「俺はもうしないって決めたんだ。…帰ろう。」

----プルルルルル

「はい。」
『翔〜?L どーしたぁ?』
「捨てたよ。」
『捨てたのかよ!!!何処だ!何処に捨てたんだ!!』
「…今日行った喫茶店のゴミ箱だよ。」

そう言った瞬間電話は切れた。

「駄目だ…。気持ちに負けそうだ…。姫…。」

そう思うと俺は姫に電話をかけていた。

『はい。どうしたの?』
「姫…俺負けそう。」
『??何に負けそうなの?』
「姫に会いたい…。」
『今何処?』
「駅前。」
『10分…いや、5分待ってて。』

5分もしないうちに息を切らした姫が来た。

「翔君…大丈夫?」
「もぉ、ダメかも。」
「また・・・・したくなったの?」
「今日崇に誘われて…Lを握らされたんだ。」
「うん。」
「俺は口では嫌だ!って言ってたんだ。でも…」
「でも…?」
「でも、俺の手は握ったまま離そうとしなかった。」

「…で、翔くんはどうしたの?」
「ゴミ箱に捨てた。姫が…姫と誓ったから。」
「…よく、頑張ったね。」

そう言って姫は優しく俺を抱きしめてくれた。
姫の息はまだあがったままだったけど、姫の鼓動が心地よかった。

「姫…俺…姫が居ないと生きていけない」
「え…?」
「好きなんだよ…。姫が…。」
「…翔くん・・」

そう言った後で恥ずかしくなってた。

「いや、あの、、その、姫は心地が良いって言うか…その・・・。」
「はは、慌て過ぎ! あたしも、翔君のこと好きよ♪」

「もぉ、翔君大丈夫だね。」
「え?」
「あたし、バイト先戻るね。」
「あ、うん。わざわざゴメン…。後でケーキ食いに行く。。」
「男一人で???はは」
「おう。男一人で…!」
「期待してる♪」

その笑顔が愛しかった。



姫がバイト先に戻って行った後、考えた。

「姫が居なかったら、本当俺どうすんだろ。。」

今日だって、実際ゴミ箱に捨てれたのも姫の事を思ったからだ。

「よし、ケーキ食いに行こう。」

今は考えるよりも[何か]をしていたかった。
そして、俺は姫のバイト先のケーキ屋に向かった。

-----カランコロン♪

「いらっしゃいませ〜…ぁ!」

小さく「あっ」と言った姫の声が聞こえた。

「お一人様ですよね?」
「は、はい」

姫の対応にちょっと笑いそうになった。
普通「こいつ一人だなぁ〜」と思っても「お一人様ですよね」と決め付けないだろう。
そこから俺は姫が少し動揺している事が解った。

「ご注文がお決まりになりましたら…」
「じゃぁ、お姉さん(姫)のオススメ教えてよ?」
「…そうですねぇ、当店ではチョコレートケーキが人気商品ですが…」
「お姉さん(姫)は今何が食べたい?」
「…いい加減にしないと怒るよっ!…そうですねぇ…」

姫をからかってやろうと思ったら笑ってる姫の顔がなんだか怖かった。

「じゃ、じゃチョコレートケーキのセットで。」
「コーヒーか紅茶どちらになさいますか?」
「じゃ、紅茶で…」
「かしこまりました。」

働いてる姫はいつもの姫とは違うように見えた。

「いらっしゃいませぇ〜…」
「注文入ります〜…」

その時…。

「こんな時間に一人でケーキかよ。」

その声に悪寒が走った。
-----崇だった。

「こんな時間に一人でケーキ?おかしいよなぁ。何?誰かと待ち合わせ?」

その時姫がこっちを見ているのに気づいた。
何故か崇に姫が居る事を知られちゃいけない気がした。

「聞いてる?なぁ翔ってば。」
「あぁ…いや、なんとなく甘い物が食べたくなって…。」

俺は姫に目で合図を送った。

----大丈夫だから----
----やばくなったら呼んでね!----

姫の目がそう言ってる様に思えた。

「翔…俺さ、辞めたいんだ…お前みたいに…。」
「え?」
「お前が辞めれたみたいに…俺も辞めたいんだ。」

今の崇はドラッグでおかしくなってる様には見えなかった。

「お前、それ真剣に言ってる?」
「あぁ、俺今持ってないし。ホラ。」

そう言って崇はポケットの中身を全部出した。
確かに今は持ってない様だった。

「俺も、崇には辞めて欲しいと思ってる。」
「なぁ、翔…俺を助けてくれよ…!!!」

正直、崇の言葉をまるまる鵜呑みにしていいのか迷っていた。

解った。一緒に頑張ろう。 次の展開を選ぶことが出来ます。
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信じられない…。

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