[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[05A]


そして俺はLを口の中に入れた。

「・・・・・・・すげぇ!!!!! なんだこれ!!!」

今までに感じた事の無い「快」だった。
目の前が急に明るくなって…。

もう言葉では言い表せない程だった。

その瞬間-----

---------------バッチィン!!!!

頬に大きな衝撃を食らった。

「翔くん!!!!」
「あ、姫ぇ…? どーしたー?」

---------------バッチィン!!!!

二度目の衝撃。

「何すんだよぉ・・姫…」
「もう、しないって決めたよね。」
「…これが、最後だから〜」
「最後?じゃ、手の中に残ってるモノは私に貸して?」
「…姫俺から盗ろうとしてる?」

---------------バッチィン!!!!

三度目の衝撃

「いい加減に目覚まさないと怒るよ。」
「…もぉ怒ってるじゃん。ははは」
「とりあえず、家に帰るよ!」
「まだ、朝だぜ〜? 遊ぼうよ…色んな事してさ♪」

「帰るの!!」

-------数時間後。

「あの…姫?」
「…なに?」
「怒って…る?」
「…怒ってない。 けど、悲しい。」

もう二度としないと、そう決めたのに…。
たった三週間で俺の決意は…。

「ゴメン…」
「私に謝ることじゃないよ。 翔くんの身体、翔くん自身に謝らなきゃ。」

もう返す言葉がなかった。

何で誘惑に負けてしまったんだろう。
何でゴミ箱に捨てなかったんだろう。

何で…
何で…

「自分を責めないで。」
「え?」
「自分を責めてばかりいても…前には進めないよ。」
「…。」
「自分のした事を十分反省したら、次しないように…。
 もう二度と…同じ事をしない様に。」

「…うん。」

姫の一言一言が辛かった。
自分の罪悪感にグサグサと突き刺さった。

「…ゴメン。もう…二度と…二度としないから…。」

そして、俺は何度も…何度も誓った。
姫の為に…そして、自分自身の為に…。

もう、姫の悲しむ顔は見たくない、そう思った。

-----プルルル

また嫌な着信音が鳴った。
俺はあの日から崇の着信音だけ別の音が鳴るようにした。
それは、電話を知らせる音であると同時に自分への警告音だった。

…出たくない。。出たら、俺は意思に負けてしまう…。

-----プルルル…-----プルルル…

「俺は出ないぞ…!出たら終わりだ。…出たら駄目なんだ。」

そう自分に言い聞かせ、布団の中に着信音の聞こえない様に入れた。

「駄目だ、気になって出そうになる…。何か、何かしないと。。」

-----プルルル…-----プルルル…

-----プルルル…-----プルルル…

狂ったように布団の中でなり続ける携帯。
それは次第に大きくなっていく様な気がした。

「もう、無理だ。出よう。。」

「…はい。」
『出るの、何か遅くねぇーっ?翔くん。ははは』

何がおかしいのだろう。

「お前さ、本当にヤバイって。何かおかしい。それに…もう電話しないで欲しいんだ。」
『え?何て?よく聞こえないんだよね〜…?』
「…もう電話しないでくれ、って言ってんだよ。」
『電話?は?何で?友達じゃん?』
「友達だったけど、今の崇は友達じゃない。」
『なに?それは、小学生で言う絶交?絶交ってやつ?はは!!』

気のオカシクなってるこいつと電話で話しても埒が明かないと思った。
でも、崇を救ってやりたい。そう思っていた。

姫が俺にしてくれた様に…。

「崇、今時間あるなら話さないか?」
『時間?あるぜ〜』

俺が駅に着くと、女子高生に声をかけまくってる崇が居た。

「ねぇねぇ、今から援すんの?いくらで?」
「マジうざいんだけど。離せっつの。」
「はは、女子高生だねぇ〜…どうせヤリまくってるくせにさ。」
「はぁ〜?!超ムカツクんだけどっ!!!」

---------------バッチィン!!!!

思いっきり殴られてた。

「ちょ、崇っ!…スミマセン、ちょっとこいつ異常なんです。」
「マジムカツクんだけど。」
「スミマセンでした!!」
「いや、許せねぇーから。警察に突き出そうかな〜」
「…ほらっ、崇も謝れよ!」
「ごぉめんなぁさいねぇ…?ははははは?」

「マジでむかつくーっ!!!あたしの彼氏暴走族なんだ〜。」

ほんのり、ヤバイ感が彼女の発言で理解できた。

「暴走族がどーしたんだっつの。てめぇみたいな援女の彼氏なわけだし。どぉーせ、バカ。」
「おいっ、崇言い過ぎだぞっ」

数分後には俺達は怖そうなお兄さんに囲まれていた。

「おい、お前か。俺の彼女をバカにしまくってんのはよぉ?」
「そうですが何か?はは!」
「おい、ちょっ崇!!スミマセン、本当スミマセン!」
「こっちの兄ちゃんはえらい腰が低いなぁ。おい由子、こいつは何をしたんや?」

そして彼女の[由子]が答えた。

「そっちは何にも〜?でも、何かムカツクんだよねぇ…あたし達で痛めつけてもいい?」
「好きにしたらええよ。じゃ、こっちの[崇くん]は俺らが…。」

崇は怖いお兄さんに何処かに連れて行かれ…
俺は彼女の[由子]に連れて行かれた。

「お兄さんさ、あの崇とか言う人薬やってるよね?」

何をされるのかと思えば、どうやら話だけで済みそうな感じだった。

「ねぇ、答えなよ。」
「あ、ああ…してる。」

「キャーッ!マジで?!」
「あたし一回やってみたかったんだよねぇーッ!」

[由子]と数人の友達?はキャーキャー言ってた。

「崇って人の友達って事は、お兄さんもやってる訳?」
「…」

俺は答えられなかった。
昨日までは…昨日までは辞めてた。
でも…俺は…

「む、昔はしてた。でも、もう辞めたんだ。」
「へぇーっ!一回やったら辞められなくなるって言うけど、
 お兄さんみたいに普通の人も居るんじゃん!」
「いや、でも…」
「頂戴☆?」

「え?」

何を言い出すかと思ったら…

「頂戴?ねぇーっ!」
「持ってないよ。」

嘘じゃなかった。崇に貰った分は全部姫に取られたし…。

「じゃぁ、どーにかして頂戴?」
「…正直、やめた方がいいと思うけど…。」
「…そんな事聞いてないの。どうしたら手に入る?」
「彼氏に聞いたら?そういう知り合い多そうじゃん。」

彼女は「そうかっ!」と言うと彼氏に電話をし始めた。

「うん、ショウちゃん、持ってる??え?うそ?マジ?」

…おいおい、さっきの彼氏さん、ショウって名前なのかよ…。

「うん、欲しいなぁーっ!え?何で?お願い!ね?
 本当?ヤッタ☆ありがと!!うん、じゃぁね」

どうやら手に入れる事が出来たらしい。

「ありがとう、お兄さん。全然思い付かなかったーっ!」
「あぁ、そう?…でもあんまりし過ぎない方がいいと思うよ。」
「わぁかってる、って。何かお礼してあげようか?」

そう言いながら彼女は座ってる俺の膝の上に乗ってきた。

「いや、別にいいよ。」
「えぇ〜?お兄さん、格好いいしぃ、ね?」
「君、彼氏居るじゃん、怖そうな…。」
「あぁ、あれはいいのっ!あたしには甘々なんだから!」

呆れたっ!最近の女子高生は何でこうなんだ?

「じゃぁ…」

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崇を助けてやってくれない?

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