[A Mermeid Princess Tragic Of Rid]
[01]
血まみれの手を見て、リドはふと思いました。
「そういえば、王子も死んでるし、セナガもルイも。」
この国は、今密かに重大な危機を迎えていたのです。
王は病弱で全ての責任を王子が担っていたこの国では、王子が死んだなんていう事があり得てはいけなかったのです。
しかも、子孫も残さずに。
しかし、王子が死んでからしばらくの時間が経ち、いっこうに姿を現さないので、
国民や城の者も皆が様子がおかしいと気付き始めていました。
そんなこの国をリドが狙わない訳がなかったのです。
そして、リドはあの、人間の魔女の元へと行きました。
-----ギギギギッ---
「いらっしゃい。待ってたよ、殺人鬼のリドくん?」
「殺人鬼とは、酷い言われようだな。」
「間違ってはない筈だけど。」
「まぁ、そうだな。」
「一応聞くけど…今日の用件は?」
「俺を王子の姿に変えて欲しい。」
「…そう、代償は何を?」
リドは悩みました。
何せ、リドには代償になるものを、何も持っていなかったから。
家族も、財産も、ルイとの絆でさえも。
「出世払いってのは?」
「・・本来認められないんだけどね。王子になると、払える見込みがあるし…。」
「何がいい?」
「そうね…。貴方のお付にでも、させて頂こうかしら。」
「お付?」
「そう、王子になり、私を城に置いくれればいいわ。」
「お前を、助言者の位置に置くってことか?」
「理解のある王子様で良かったわ。」
「よし、契約成立だ。」
そして人間の魔女はリドを王子の姿へと変えました。
「数日…国民の騒ぎが収まったら、呼ぶ。…そういえば、魔女。名前は?」
「キサヒよ。」
そして、王子となったリドは、王子の姿を手に入れ、国民の前へ姿を現しました。
