[A Mermeid Princess Tragic]
[04B]


殺す?誰を?彼を?王子を・・・。
その時ルイは足元が崩れ去るような、暗闇に落ちて吸い込まれるような
そんな、そんな感覚に一人息苦しさに眩暈を覚えた。
そしてルイは決断する。
彼を殺して一人きりになるくらいなら…。
その瞳に隠し切れない悲しみを映しながら首を振る。
小さく、だがはっきりと。
リドはその仕草をじっと見つめていた。
渡そうとしていた短剣が微かに震える。
「ば、馬鹿じゃないの!?死ぬんだよ!?・・・ずっと、ずっと一緒だったじゃない!!
 何で!?何でたかが人間なんかの為に!!!」
リドは叫ぶしかなかった。責めるしかなかった。罵るしかなかった。
知っていた。気付いていた。分かっていた。
どんなに彼女を説得してみても無駄だという事。知っていた。
ずっと一緒だったから。気付いていた。
決意の深さも覚悟も・・・。分かっていた。
何もかも無駄ならこの思いを一体どこへやればいいの?
貴方を失う辛さを私はどうすればいいの?
いつも一緒だった。
何をするにも、どこへ行くにも一緒だった。
私の半身。
ねぇ、教えて?
王子と魔女が結婚式を迎える日。
朝日が上ると同時にルイは海に抱かれ泡と化す。

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