[A Mermeid Princess Tragic]
[02]


「あっ!髪飾り落としたぁ!」
「え?!あれ、王様のプレゼントじゃなかった?」
「お気に入りだったのにぃ〜」
「ってか、してなかったら、ヤバイんじゃないの?」
「・・・・・・・・・」
(あの人、目を覚ましてくれて、本当…良かった…)
「ルイ、あの人も目を覚ました事だし早く帰ろう?王様、心配してるよ。」
「…うん…」
「何を考えてるんだ!!!!!!」
ルイが王様に怒られるのも無理はありません。
「でも、嵐で帰れなかったんだもん…」
「その前に何で行ったんだ!一国の王女ともある者が!」
「でも王様、ルイは…」
「リド、お前もルイをいつも連れまわして…おい、セバスチャン!」
王様の家来のセバスチャンが呼ばれ、リドは牢屋の中に入れられました。
「なんでリドを牢屋に入れるの?!」
「ルイ、あんな奴と付き合ってたら、お前はダメな人魚になってしまうぞ。」
「リドを出してあげて!」
「ダメだ。」
「代わりに私が入るわ!」
「何を言ってるんだ!ダメだ!」
そうしてルイは一人になってしまったのです。
「リド…ゴメンネ…お父様のバカ…」
一人になったルイは気がつくと近づくな、と言われていた洞窟に来ていました。
「やだ、どうしよ・・リドが居ないとやっぱ不安かも…。」
その時…
「お嬢さん、ここは近づくな、って王様に言われてるんじゃないのかい?」
「ヒャッ!誰!?」
「そんな驚かなくてもいいじゃないか。」
「だ・・・誰?」
「俺達はセナガ様の召使さ。」
「セ…ナガ様…?」
「お嬢さん、知らないのかい?」
セナガとは昔、国を乗っ取ろうとした魔女でした。
そんな事も知らず、ルイはセナガの召使の口車にまんまとひっかかり…
「ようこそ、ルイちゃん。」
召使に案内され、洞窟の奥に入っていくと美しい魔女が座っていたのです。
「な、なんで私の名前を…?」
「私は魔女よ?それ位すぐに解っちゃうわよ。」
「貴方の願いを叶えます。」
「え?」
「貴方の願いを叶えてあげる、そう言ってるの。」
「私の願い…?」
「そう。人間になりたい、そして友達のリドを助けたい・・。」
自分の考えをズバリと言い当てられてルイは驚きました。
「本当ですか!!!」
「ええ、でも条件があるわ。」
「じょ・・条件…?」
「そう…」

「あなたのその美しい声を私に頂戴。」

「声を…?!」
「あぁ、でも安心して、二度と喋れなくなる訳じゃないから。」
「…解ったわ…私の声と引き換えに、願いを叶えて下さい。」
セナガはルイに薬を飲ませ、人間の足、そしてリドを開放しました。
「貴方に幸あれ、お嬢さん…」
(ん…ここは、どこ…?)
「ルイ、大丈夫?」
そこにはリドの姿があったのです…!
「******!!!」
(あれ?!声が…!!!!!!)
「え?どうしたの??ルイ?!」
「****!!」
「もしかして、声が出ないの…?」
(そうなの!声が出ないの!!)
「もしかして、牢屋から出られたのも…?」
リドは昨晩、牢屋が何者かによって抉じ開けられ、脱出することが出来たのでした。
「ルイ、魔女の所に行ったんでしょ…!その足…」
(足…?足ーーーーーーー!!!!!!足がある!!足が!!)
「落ち着きなよ!あ、誰か来た…!」
(あ、あの人は…!)
そこに現れたのはルイが助けたジャンク王子でした。
「…?そんな所で何をしてるの?」
(それは…!って私、服を着てない!)
「君、服を着てないじゃないか…!このマントを貸してあげるよ、さぁ。」
(キャーッキャーッ!!恥ずかしいよぉ!)
「こっちにおいで…」
(本当、スミマセン…)
「君、名前は?」
(ルイです…って声で無いんだ…えーっと…)
「君、もしかして話せないの?」
(はい、はい、そうなんですっ!)
「そっか…じゃ名前解んないねぇ…」
(どうしよ…あっ!書けばいいんだ!)
「ん?ル…イ…?ルイ?」
(そうです!)
「あぁ、君ルイって言うんだ?宜しくね、ルイちゃん。」

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