[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[08ABB]


「ひ…姫…?…と、父さん????いったいどういうことだよ?!」

「まあ、翔。落ち着け。説明してやるから。」

「お前は、私たちの実験体なんだよ。崇くんには、サポートをしてもらっていた。
 まあ…最近は薬の過剰摂取で多少“異変”が起きてきているみたいだが?」
「すみません、教授。でも、どーもやめらんなくって。」

「私の研究では、特定の薬の使用者による心理行動の研究だ。
 薬漬けになった人間はどこまで理性を保てるのか。など、様々な観点から研究している。」
「研究って、なんだよ…。父さん、教授ってなんだよ。サラリーマンじゃないのかよ。」
「ああ、私はある大学の教授をしている。サラリーマンというのは、軽いジョークだ。」

ジョーク…?

「あなたったら、お上手ね。」
「教授はユーモアセンスも抜群ですね。」

「ひ、姫は?!姫はなんなんだよ!」

「ゴメンね、翔くん。私は助教授で、教授と同じく心理行動の研究をしているの。
 今回この研究チームに加わって、貴方を実験体に利用させてもらったの。」

「どういうことだよ!!実験って…、じゃ俺はあんたらの手の内で転がされてたっていうのかよ!!」
「まあ、そういうことになるかな。」

「やってらんねぇ、こんな…こんなことって、あってたまるか!」

俺は、その場から逃げようとしたけど、後ろから父さんに何かを注射されて、

「っつ!何すんだよ!!」
「私たちの研究は、まだまだ終わっていない。モルモットを逃がすわけにはいかないんでね。」
「そんな研究に、手を貸すわけが…、」

「教授、何ちゅーしゃしたんすか?」
「もちろん、ダイスキなドラッグさ。」
「ほんとだ。翔、目がくるくるしてんじゃん。」

「さて、研究室に運ぼう。ここでは埒があかないからな。」
「はい、教授。」

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しばらくして、目が覚めると、そこは自分の部屋のベッドの上だった。

「眠って…たのか。」

意識がはっきりしてきて、気を失う前のことを思い出す。

「そうだ…。俺モルモットなんだ…。」

カゴに入れられ、研究者に体を提供し、データを取らせる。
これから、どうすればいいんだ。

ただ、ひとつ解ることは、俺の周りには敵しかいない、ということだ。
信じられるのは、自分自身しかいないのだ。

きっと、これから俺は、薬のせいで自分の意識がなくなっていって、
ただ、生きているだけのヒトになるだろう。

モルモットは最後には死ぬんだ。

俺は、手紙を書くことにした。自分自身に…。

テーブルの引き出しを開き、レターセットを探した。

その時、ふと、見知らぬ封筒が入っていることに気づいた。

「…?なんだこれ。」

封を開けると、そこには想像しない相手からのメッセージが綴られていた。


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