[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[07BAC]
白い煙が舞い込んできた。
「ケホッ、ゴホッ、んだよ、、これッ…」
もくもくと白煙は部屋中に満盈し、俺は意識を手放した。
ペチペチ、と頬を叩かれ、目を覚ますと、
そこには、見知らぬ男が立っていた。
「…キミは望月くんで間違いないね?大丈夫か?」
「あ…、はい…。」
「警察だ。」
警察…??
いったいどうなっているんだ??
「た、崇は…?!」
「崇くんは、今救急車で病院に搬送された。」
「え??…崇が…?どういう事ですか?」
俺には全く意味が解らなかった。
俺が意識を失っている間に、一体何が起きたのだろうか。
「とりあえず、ここから出ようか。立てるかい?」
「あ、はい、大丈夫です。」
警官に腕を掴まえられながら、身体を起こす。
ズキリ、と頭が痛む。
外に出ると、空はもう暗くなっていた。
警官の後に続いて、パトカーに乗り込む。
「率直に言おう。崇くんは、“何者か”によって刺され、
意識不明の重体だ。現在も懸命な治療が行われている。」
「え?!」
「犯人は現在逃走中。目撃者の話によると20代と見られる小柄な女性。」
「え…??」
それって、まさか…?
「気付いたかね?おそらく、容疑者の名前は、真城姫。」
「な、なんで、姫が…!!姫がそんな事する筈がない!!」
「バイト先の同僚の話によると、キミが彼女のバイト先を出てから、すぐに追いかけて行ったそうだ。」
「…そんな、そんな、、」
「凶器はナイフ。ナイフには彼女の指紋が付着していた。」
「いったい…、どうして…!」
「そこで、彼女が行きそうなところは解らないかね?」
俺は、姫の事、何も知らないんだ。
実家や、好きな食べ物さえ知らない。
「解りません…。」
そう答えて、涙が溢れた。
