[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[02]
「…で。どうしたの?…あっ!とりあえず。私、真城 姫。」
「姫は本当に『姫』って名前なんだ?!」
「そ。だから君が名前を呼んだ時、ビックリした。」
「やっぱり、運命だ…!」「君は?」
「え?」
「君の名前。」
「あ、望月 翔。」「…じゃ、翔くん。どうしたの?」
「翔くんって…・・俺、今大学の2回生なんだけど。」
「そうなんだ、じゃ私3回だから後輩だ」
「3回なんだ。…、今日は両親の結婚記念日だったんだ。」「それで今日も母さんに早く帰れっていわれて、仲間とも別れて帰った。」
「うん。」
「家に帰ると母さんも父さんも居て、2人でワイワイしてた。」
「うん。」
「だから『おめでとう。』って言ってからコンビニに出たんだ。2人がHすると思ったから。」
「結婚記念日だもんねぇ。」「でも、財布を忘れて家に帰ったら、話し声がして聞き耳立ててたら」
「うん。」
「そしたら俺は邪魔だって。俺という存在が二人を縛ってるって。
しかも2人にはお互いに恋人が居るって…そう言ってたんだ。」
「・・・…。」
「さり気なく一人暮らしを勧めてみようとか…。」
「…それで泣いてたの?」「・・・。」
「翔くん。確かに悲しい事かもしれないけど、
翔くんの前では2人は『親』で居てくれようとしてくれたじゃない?」
「でも、今まで騙されてたんだぞっ?!」
「じゃ、翔くん。翔くんが物心付いた時に、
『貴方はお荷物よ。』って言われて普通に生活して行けてたと思う?」
「・・・。」
「ご両親、騙した事は悪かったけど翔くんの20年にはよかった事じゃない?」「…そうかも…しれない。」
「…なんで姫は俺に構ってくれるの?」
「…ドラッグしてるから…かな。」
「なんでそんなにもドラッグに拘るの?」「…弟もドラッグをやってて…。」
「じゃ、弟に言えばいいだろ?」
「…死んだの。」
「・・・・・え?・・・・」「だから同じ様な事をしてる人に死んで欲しくない…。」
「…」
「ドラッグが憎いのよ。だから翔くんみたいな人を元の生活に引き戻したい。」
「姫・・・あの、弟は何で死んだの?」
「丁度、一年前。あの子がドラッグをしてる事に気付いた時だった。」
「ケン〜部屋入るね。」
「…あぁー姉ちゃんだ。」
「お前の姉ちゃん?!お姉さんも一緒にっ…ヤります?セックス。」ケンの部屋の中では何処から入ったのか、6人もの男女が身体を交えていた。
異臭がして、とてもグロテスクな世界だった。「お姉さん〜?…まだ処女でしょぉ。」
「や、やめてよ!」
「お姉さん可愛いねぇー、ゆみとキモチイイコトしよっか?♪」
「離してよ!警察呼ぶわよっ!」「冗談キツいなぁ〜…捕まえられてるのに、どうやって?」
「本当だよ!ゆみ、やってあげなよ。キモチイコト」
「言われなくても・・・・・ね♪」
「い・・いやぁっ!!」…私は数十分にわたってゆみって子に色んな事をされた。
男の人に何もされなかったのは本当に奇跡だと思った。「ケン…!ドラッグなんて辞めなよ!!」
「姉ちゃんは本当、煩いなぁ。正しく使えば大丈夫なんだって!」幾度言ってもケンはドラッグを辞めなかった。
「ケン…ちゃんと正しい道に進もう?」
「…は?」
「警察行っておいで。」そうしてケンは警察に捕まった…って言うか私が通報したんだけど。
勿論ゆみって子もその仲間も。でも、どうやったのかケンは1週間位して脱走してきたの。
「どうしたのケン?!」
「ケーサツってつまんねぇトコロだな。」
「もしかして…!脱走?!」
「はははは!!ちょっくらコンビニでも行くわ。」
「ちょ・・ちょっとケン!」私はすぐに弟を追いかけたけど、コンビニには居なかった。
ウーーウーーウーー〜
「パトカーのサイレン…?」
こんな小さい町にサイレンが鳴るなんて、よっぽど大きな事件だろうと思った。
「何か有ったんですか?」
「何か若い男の子が泥棒に入って、住民に殺されたんだってぇ」泥棒に殺されたんじゃなくて、泥棒が殺された?!
事件現場に野次馬精神で行きたかったけど、ケンのことがあるから家に戻った。
プルルル――
「はい。真城です。」
「警察の者ですが、真城ケンさんという方をご存知ですか?」
「はい・・・!弟ですが…弟が何か…?!」
「…先程真城ケンさんがお亡くなりになられました。」その警察の人によるとさっきの泥棒はケンだったらしい。
ケンはドラッグの作用で有頂天になり、泥棒に入ったらしかった。
「そうだったんだ。」
「うん。だから翔くん・・・ドラッグ辞めよう…?」
「・・・・俺、もう帰るわ。」
「これ、あたしの連絡先。また何か有ったらかけて来て?」「ありがとう姫…。」
姫にあんな過去が在ったなんて。
まだ2回しか会った事が無いのに何で俺に構ってくれるんだろう…?『ドラッグしてるから…』
本当にそれだけしか、ないんだろうか…?
本当は姫も弟を無くした悲しみから、十分に立ち直れてないのかもしれない。
「ただいま。」
「お帰り〜!翔ちゃんっ!!」
「遅かったなぁ〜…」また上辺だけの『愛』
「俺、2人のお望み通り一人暮らしするよ。」
「え・・・・?」
「今まで俺の前では偽りの『家族』で居たんだろ?」
「・・・・・・いつ知ったの?」「今日コンビニに行ったけど財布忘れて、取りに帰ったら話し声が聞こえた。」
「・・・そう。バレちゃったんなら仕方ないわね。」
「俺、住む所が決まったらすぐ出て行くから。」
「私たち、翔ちゃんが『好き』だったけど『愛し』てないの。」ハッキリ言われると少しキツな・・・。
「じゃ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」「ふぅ〜・・・言えたぁーっ」
明日は住むところを探しに行こう。
バイトも探さないとな。・・・これも全部姫のお陰だ…。
『翔くん…ドラッグ辞めよう?』
「・・・・・ドラッグ・・・・・」
