[No Distance小説大会 Vol.03]
[お題:ドジの五日]
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムがなって今日の授業の終わりをつげた。
すぐに隣の席へ向いてお礼を言った。「さっきはありがと。」
顔が赤くなっているのが自分で分かってしまうのが恥ずかしい。
でも夕日で気づかないよね?「秋って涼しくて寝たくなる気持ちよくわかるよ。今度もし寝てたら起こしてくれると嬉しいな。」
笑顔で返事を返してくれる。
その笑顔を見れただけで一日の疲れが吹っ飛びます。「あ、そーいえば今日ね、親戚の家に行くんだ。風間さんの駅の近くなんだよ。」
「え!?近くなんだ。改札出て右?左?」
「確か右だと思うんだけど…。実は電車で行った事ないんだ。」「どのあたり?何か目印あったら分かるよ。」
決して親戚の家を知ってちょっとでもお近づきに…とかの下心はないよ。
困ってそうだから道を教えるだけ。そう自分に言い訳しながらも話ははずんでいった。こんなにいっぱい話した事なかったなぁ。何か…いい雰囲気。
「一緒に帰らない?」
嬉しすぎて一緒に帰る妄想まで始まってしまった。
しかも手を繋いで帰っちゃってる。羨ましすぎるぞ、自分。
妄想の中の自分につっこみをしていると…「風間さん?…風間さん?どうしたの??」
トントンとたたかれる。「きゃぁっ!!えっ??」
話してる最中だったのについ妄想に走ってしまっていた!!
すぐに謝って何?と聞き返す。「えっと…だから、一緒に帰らない?
親戚の家の場所ちょっと不安だから近くのコンビニまで案内してくれると助かるんだけど。」まさか…まさかの言葉が…!!!
さっきのは妄想じゃなかったの!?それともこれもまた妄想?と一人ぐるぐるしながらも、はい!!と返した。初めて二人で帰る道のりで何を話したかというと…
明日あたる授業の話とか、親戚の家の場所の話、その流れでお互いの家の場所の話をしながら駅に向かった。「ごめん。ちょっと待ってて。切符買ってくる。」
あ、いつもと反対の方向だから切符が必要なのか。
普段だったら一緒の電車に乗るなんてあるハズがなかったと思うと顔がニヤけてしまう。「お待たせ。」
わざわざ走って来てくれる姿にまた顔が緩んでしまいそうなのを引き締める。帰りの電車は学生で混んでいた。
ふーっ。混んでてよかった。
もし隣同士で座る事になったら緊張しすぎでどーにかなっていたかも。そして、あっという間に降りる駅についてしまった。
改札機は切符を吸い込んでいってしまう。
それはこの緊張しながらも楽しい時間の終わりを意味する。
切符さん、さようなら…楽しい時間をありがとう。それじゃぁ…と言おうとしたら、
「ちょっとコンビニ寄っていい?」
「全然いいよ!!」
ちょっとでも一緒にいれて嬉しいという言葉は心の声。二人でコンビニに寄って、好きな商品の話をしながら私はガムを買った。
今日は色んな話しを聞けて本当に幸せだー!!
ぐっと小さく拳を握る。そしていよいよ別れるときがきてしまう。
「それじゃぁ…。」
「うん。今日はありがと。楽しかった。これ、お礼。」そう言って渡してくれたのは、さっき私が好きだって話したクマのキャラの絵柄のタブレットとアイスティー。
「可愛いー!!!ありがとう!!」
う、嬉しすぎる!嬉しすぎて目が熱くなりながら、それじゃぁとバイバイする彼を見送った。
そして手の中にある物を見つめ、タブレットのケースだけは宝物にしよう!と決心した。
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