[No Distance小説大会 Vol.01]
著者:鳳 ヰ流

[ 3話]


気になっていた彼から告白されて嬉しい!

――と思えるほど。

友枇は楽観的にはなれない。

親友の裕香の 「自分を大切にした方がいい」という言葉が頭の中をぐるぐる廻る。

自分を大切にしたいから告白の返事を悩んでいるわけではない。
裕香を大切にしたいからだ。

もし自分が忠昭と付き合ったとしたら裕香は頭ごなしには反対しないだろう。
反対すれば私が傷つくと思っているから。

いつもは強引な裕香だけど。
そこらへんは、はっきりしている。
私が悲しむこと、本気で困ることは絶対にしない。

だから。

「ごめんなさい。」

その言葉を忠昭に伝える為に来た。

――行った。
――――つもり。
――――――だったのだ。

「告白の返事聞きたいんだ」
いつもと変わらない声音で聞いてくる。

まるで。

「次の授業なんだっけ?」と聞いてくるかのように。

ただ。

強く。

真剣に。

真っ直ぐに。

友枇を見つめる眼差しの双眸に。

少しの怯えを宿していた。

それに気づいた。

瞬間。

あぁ、この人は私の事を本当に好きなんだ。

そう認識したときには

「私なんかでよければ……」

何の変哲もない。
ありきたりな。
受諾の言葉。

ごく一般的な交際の了承の返事をしていた。


次へ
前へ
他の人を読む