[No Distance小説大会 Vol.01]
著者:藍々 碧

[22話]


忠昭と裕香のバイト先、星崎さんとの接点へ向かってる途中…

「あの、お、尾方忠昭さん…っ!」

突然知らない学校の制服を着た女の子が2人声をかけてきた。

「?はい…?」
「私、北高の高橋 江美って言います!あの、お話があ、あるんですけど…っ!」
「なに?」

告白…??かな?、とか思ってると、 高橋 江美さんはチラッと私を見た。

「か、か、彼女さん、ですか?」
「えっ?!」

彼女かって、そう聞かれて、ふと思った。

今んとこ、彼女じゃない…けど、お互い好きだってのは解ってるし…。
私達、それこそ友達以上恋人未満…? でも、キスしちゃったし…。

そんな事をぐるぐる考えてて、返答に困ってると、忠昭が先に口を開いた。

「今は、彼女じゃないよ。
 でも、俺、告白するつもりでいるから、彼女になる予定♪」

「「・・・・・!!!!!」」

忠昭の突然の“告白の告白”に私達は驚いた。

でも、驚いた数秒後、高橋さんはじわりと目に涙を溜めていった。

「じゃ、私が尾方さんに告白しても、見込み…ないですよ…ね・・。」
「・・・・・・・ありがとう。でも、ゴメンなさい。」
「そう…ですか、…お時間取らせてスミマセンでした。失礼します。」

彼女は走り去って行った。

でも、私も忠昭になんだかとても悪い気がしてて…
ホッとした自分と、忠昭を中途半端な状態で繋いでる自分を思って作った笑顔はぎこちなかった。

「友枇?」
「…うん?」
「中村と星崎さんにチャッチャとラブラブになってもらって、俺達も心から笑おうぜ♪」

私の気持ちを察してくれたのか、忠昭も同じ気分だったのか、そんなのどっちでもよくて、
ただ、なんとなくそう言ってくれた忠昭が好きだな、って感じた。

「うん♪ さ、コンビニ行こう!」
「なんか、コンビニ行くのにこんな緊張すんの初めてかも。」
「私も…。裕香が大泣きした日以来だから緊張する…。」


コンビニに入る前に店内の様子を外から伺ったら、
客がレジの所に1人だけ居て、
星崎さんはレジの客の対応をしながら、楽しそうに話してるように見えた。

それを見てなのか、なんだか膨れっ面で裕香が雑誌を整理していた。

「彼女かな…。」
「うーん、楽しそうに見えるよな…。」
「裕香、なんか怒ってない?」
「黒いオーラが見える気がする…。あ、目が合った。」

裕香は外に居た私達に気付くと、にっこりと笑って手招きをした。

私達はそれに頷いて、バラバラに店内へ入った。
バラバラに入ったのは、忠昭がその方が都合がいいって言うから。

「「いらっしゃいませー。」」

店内に響く星崎さんと裕香の声。

レジの所の客は私達を見ても尚、星崎さんとの会話を継続させる態勢をとってる。

私達は裕香の居る雑誌売り場に行った。
星崎さんは、私達の行動を見てないみたい。

「あの客、ずっと喋ってるの。」

私達が聞くより先に、裕香は怒ってた理由を教えてくれた。

「何分くらい?」
「30分くらいは喋ってるかなぁ…。」
「他のお客さんは?」
「お客さんが来ても、帰らないの。
 店内をふら付いて、客が少なくなるとまた星崎さんと喋るの。」

「・・・・。なんだそれ。」
「で、裕香は喋れてないんだね…?」
「そーなのっ、超悲しいんだけど…。」
「俺が撃退してきてやろーか?」

「「え?!どうやって??」」

裕香と台詞がかぶった。

「まぁ、見てなさいなご両人。」

そう言うと忠昭はガムを1つ持ってレジへ向かった。


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