[No Distance小説大会 Vol.01]
著者:藍々 碧

[13話]


「えっ・・・・・・嘘。―――嘘…だよね・・・?」

動揺する裕香を見て、涙が出てきた。

「ひろかぁ…・・。仲直り、したいよぉ…。」
「・・・・・・・・・。」

裕香は何も言わなかった。
ただ、ただ、私の手をギュッと握ってくれた。



-----ピルルルル-----ピルルルル

2日ぶりにかかってくる、忠昭からの電話。

「――、もしもし?」
「友枇。こんばんわ、今、大丈夫かな。」
「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」

「この間から、ずっと考えてたんだ。あのロケットの写真。」

――ロケット…そう。
裕香が鞄を置いて早退した日に裕香の鞄から落ちたキーホルダー。

中には男の人の写真が入っていた。

「うん。」
「―それで、今日見て思い出した。」

見て、思い出した…?

「見たの?!っていうか、知り合いだったの?!」

「知り合いって程、親しくないけど…
 中学の時俺、陸上部に一時入っててさ。その時の先輩だわ。」
「名前とか…覚えてる?」
「おう。星崎 智也(ほしざき ともや)」

その人が…裕香が好きな人。

「あの人も、今部活やってねーみたいだし、解んなかったんだよな。」
「ありがとう…!」
「友枇の為だったら…なんちって。」

顔が赤くなるのが解った。

「うん、ありがと。」
「おう。」

「とりあえず、私本人に会ってみたいな…。」
「そうだなー。」



―――そう思った次の日、
本当に本人に会うことになるなんて。


次へ
前へ
他の人を読む