[No Distance小説大会 Vol.01]
著者:藍々 碧
[ 7話]
「ねぇねぇ、友枇ちゃん、知らないの??」
「うん、本当に。どこ行ったんだろ。」
「珍しいね。いつもベッタリなのに。」
30分もして、先生が戻ってきた。
「家に電話したら、帰ってるって。中村も一言伝えて帰ればいいのになぁ。
あ、川原、中村の鞄、届けてやってくれるか?」
「・・はい。」
5時間目の授業も終わって帰る時、忠昭と一緒になった。
「今日、中村早退したんだって?」
「うん。鞄を置いて。ほら。」
私は、裕香の鞄を忠昭に見せた。…時、チャリンッ、と何かが落ちた。
忠昭が拾い上げる。
「ん?何だこれ。」
「キーホルダー?」
少し大きめのキーホルダー。それは、2つに開くようになっていた。
「ロケットになってるじゃん。」
「本当だ。」
それを開けると…
「…誰。これ。」
知らない男子生徒の写真。
「知らない。…友枇も知らないの?」
「うん。うちの学校だね。…・・・か…彼氏?」
私の知らない裕香の一面を見た気がして、少し嫌な気持ちになった。
それは、私の事は、あんなに聞いてくるのに、
自分の事は何も話してくれない裕香に対する嫉妬の様な感覚。
「彼氏、居るん?」
「・・・・・・・・・・知らない。居ないと思ってた。」
「友枇には、彼氏作るな、って言うのに、自分は居るんじゃん。」
「…片思いかも?ほら、好きな人の写真こっそり、みたいな。」
裕香…何考えてるんだろ。
