[No Distance小説大会 Vol.01]
著者:藍々 碧
[ 3話]
「裕香♪ただいまっ、」
教室に戻って、自分の机で雑誌を読んでる裕香の所へ行った。
「あ。友枇、おかえり…。」
少し元気がないような、そんな気がした。
…多分、私の尾方くんへの返事を考えたのだろう。
「裕香。これからも、私達ずっと一緒だよ。」
「うん…。でも、それって…尾方くんの…」
「ううん。私、尾方くんとは、付き合わない。」
そう言うと裕香の顔が驚きに変わり、そしていつもの裕香に戻った。
「それって、本当?」
「うん。本当に。だって、裕香が私には、必要なんだよ。」
「友枇…、、」
裕香は涙を流した。
「どうしたのっ?!大丈夫??」
「うん、何か絶対ダメだと思ってたから、嬉しくなっちゃったよ…。」
「はは、変な裕香。今日、駅の所のケーキ屋さん行こうか♪」
「うん♪」
友情って、とても大切なものだと、そう思った。
放課後、教室を出ると、偶然廊下で話していた尾方くんと目が合った。
「ねぇねぇ、忠昭ぃ〜今日一緒に帰ろう〜?」
目が合うと、少し昼にした返事を思い出してしまう。
「ねぇ、忠昭ぃ〜」
「うん、いいよ。帰ろう…。」
「やった♪今日は寄りたい所があるんだよねぇー。」
それを見た裕香が言った。
「ほら。自分を大切にしたほうがいいって言ったの、正解だったでしょ?」
「え?」
そういえば、告白された時、裕香にそう言われたんだった。
「だって、昼間、友枇に返事聞きに来たのに、放課後には他の子と…。」
「う、うん、そうだね。」
尾方くんが、他の女の子と一緒に帰ったりするそう考えると、
保留にして、そう言っておきながら少し後悔している自分がいた。
「そんな事より、ケーキ屋行こう♪」
「そうだね!」
駅前のケーキ屋さん、Dreieckは学生やOLに人気のお店で、
桃のロールケーキが凄く美味しい。
店内に入って、メニューを見ると、
秋の新作:さつまいものロールケーキ があった。
「どれにしようかなぁ…友枇は?」
「うーん…よし、決めた。」
「じゃ、店員さん呼ぶね。…すみませーん。」
店員さんが来てそれぞれに注文を言う。
「えっと、さつまいものロールケーキとストレートティー。友枇は?」
「私も同じで。」
「また被ったぁ〜♪」
「だね。最近、よく被るよね。」
こうやって、ちょっとした事で笑ってる時間が、とても楽しい。
-----カランッコロンッ
入り口の扉の鐘が新たな来客を知らせる。
「いらっしゃいませ〜」
何気にそちらの方を見ると、それは先ほどの女の子と尾方くんだった。
