[Sprit×Drug−精神安定剤−]
[07BAA]
笑った姫の顔があった。
「え…?」
「あれれ?崇…バレちゃったみたい。」
「本当だなぁ。ってバラしたんじゃん!」
「「ははは!!」」そう。
扉を開けると崇と親しそうに笑って話す姫の姿だった。「ちょ・・姫・・なんで?」
「なんで?って言われても…。当たり前の事でしょ…?裏切り者には制裁を。」
「で、でも姫は俺を…」
「一緒に頑張ろうってやつ?あれはねぇ、崇との賭け事だったの!」賭け事…?
「つまりぃ、あんたは裏切るかって事。」
「姫の弟の話は?!」
「あたしの弟…?あんたの目の前に居るじゃん。」目の前に…?
もしかして…「あはは!メッチャクチャ驚いた顔!超ウケる!!」
「た・・崇…嘘だよな??」
「嘘じゃねぇよ。姫ちゃんは俺のお姉様でしたぁーっ!」
「でも、姫の弟の名前は“ケン”だったんじゃ…?」「ケンは本当に死んだ一番下の弟の名前。」
「俺達が殺したの。」
「そう。逆らったから。ね?崇。」
「うん。しかも、この部屋で。」この部屋で実の弟を…?!
もう言葉が出なかった。
何を言うのかも、何を言いたいのかも、そして何を言えばいいのかさえも。何よりも意味が解らなかった。
崇とか高校からの付き合いで、結構“親友”に近いものがあったと思う。
それ位俺たちはずっと一緒だった。崇の事はよく知ってたし、全てを理解してると、そう思ってた。
なのに…。
知らなかった。解らなかった。 崇の考えてる事が…言ってる事が…
そして、今から“何”が行われるのか…。
「ねぇ…翔くん?」
「…っ」
「そんなお顔で睨まないで…?ね?」近づいてくる姫に俺は部屋の奥へと後ずさりをした。
どこか、何か逃げるところは…!
多分、今の俺、人生で一番最悪の顔してると思う。
「そんな…逃げ道探したって…ケンが逃げれなくてここで死んだのに。」
「そうそう。翔くんが逃げれる訳…ないじゃん?」
「ケンの横でさっさと死んじゃいなよ。」そう言われて初めて気がついた。
崇と姫の実弟のケンが俺の足元に“転がっている”ことに。「ひぃっ!!」
「あはは!女の子みたいな声だしてるし。」
「お…お前等おかしいって!」「「…?おかしいのはお前だよ。この裏切り者が。」」
俺は裏切ってない! 俺は…!俺は裏切ったんじゃない!
ダダダダダダッ!!
その時、どこから現れたのか多くの警察の人たちが突然姫と崇を捕まえた。
「「?!!」」
「?!!」もう、俺もそして、姫も崇でさえも、驚きを隠せなかった。
「お前等!一体どこから!!!!!!!!離せ!!!!!!!!!」
「やめてよっ!この下衆野郎!!!!」二人が暴言を吐きながら連行されていくのを俺は唖然と見ているしかなかった。
「…望月…翔くんだね?」
「…は…はい…」
「大丈夫かい?」
「は…はい…だ、大丈夫です。」「ちょっと、警察署まで来てもらえるかな?」
「は、はい。」そうして、俺は警察に連れて行かれた。
その車の中で、今一瞬の間に起こった色々な事がダーッと一気に流れていた。「何かされたかい?」
「いえ、一瞬閉じ込められただけです…。」
「そうか、じゃぁ被害者の事を何か聞いたかい?」
「被害者…ケンの事…ですか?」
「ああ。」俺は、ある日姫に出会った事や自分がドラッグをしていた事。
その全てを話した。警察は、前々から姫と崇の事を追っていて、
今日たまたま見つけることが出来たんだと言った。
俺のことも知っていて、ドラッグを最近してなかった事も知っていた。でも、今の俺には自分が警察に捕まるとか、そういうのはどうでもよくなってた。
信じていた人から殺されかけた。それだけだった。自然と涙が出ていた。
「っそっなんで…なんでだよ…」
−「裏切り者」編− −END−
☆執筆後記☆
ここまで読んでで頂き、有難う御座いました。
−「裏切り者」編−信じていた存在の、姫が、崇と兄弟?!…みたいなね。
一体どういう事だったんでしょうね。
そういう謎。また後々、書いていけたらな、と思ってます。
Spirit×Drug−精神安定剤−には、まだ他にもエンディングが沢山あります。
他の話も是非、お読み下さいね!♪
c...藍々 碧
