藍々 碧

メルマガ話


ピザにするちゃん

最初に彼に出会ったのは…私がバイトを始めて…。
ようやく慣れてきた5月のゴールデンウィークの辺りだった。

出会った…ってそう言っても、
私が彼の事を意識しだしだのがGWだった訳で…。

4月には会ってたと思う。
でも、その頃は私にお客さんを観察する余裕なんてこれっぽっちも無かった。

彼を意識したのは、ふと、コンビニの中に彼と二人きりになった時…。

最初はなんとなく…
そう、なんとなく“格好イイナ”って印象だった
私のバイトの日の毎週土日…
その“格好いい人”は必ず、というほどコンビニに来てた。

「何でかなぁ?家近いのかな?」

そう思い始めていた時、
その人はコンビニに隣接するピザ屋のトレーナーを着てきた。

「あぁ!ピザ屋の店員さんなんだっ!バイトしてるんだ?」

それを知った日からだった…。
私が彼を極端に意識しだしたのは。

意識し始めて…
私は彼が店員(私)に小銭を直接手に渡してくれる事に喜びを感じていた。

そっと、ほんの一瞬の幸せだった。
指先が、私の手のひらに…

まず、私が最初に思ったのは…。
土日に働いてる…って事は彼女いないんじゃないのかな?って事。

ピザ屋にも女性店員は何人か居るみたいだけど…
皆、同じ店で働く彼氏っぽい人といつも一緒に来る。

だから…今フリーなのかな…?とか思った。
いくつなんだろう?一個上位かな?

いつもの様にそんな事を考えながら彼の会計を済ませてる時…。
たまたま、彼の開く財布の中に、私は定期券を見つけた。

そこには、““●川−●大前”” という文字。

…●大前…?●大(大学名)の人なんだっ!!!

レジを済ませるその1分の間では、定期区間を見ることしか出来なかった。
でもそれは、私にとって大きな収穫だった。

それからの私は、毎週のバイトが楽しみだった。

そして、欲深くなっていった。
もっと彼の事が知りたい…!

そして、私のイケナイと思いながらも、彼のサイフに入ってる定期券を
チラ見する日々が始まった。

チラ見と言ってもサイフの中に入った定期は1センチ程見えてるだけ…。
それをたった数秒、商品をビニール袋に詰めてる間…その数秒見ていた。

ある日、いつも区間名が見えてる定期が逆さまになっていて…
名前と 年齢欄 が見えたのだ!

その時には、私は年齢を見ることで精一杯で名前は解らなかった。

でも、“19歳” それを知れただけで、私は満足だった。 

それから何度か定期を見ても、いつも区間名の方ばかりが見えてて…
肝心の名前部分は見れなかった。

そして、夏休みに入った

私は水曜日以外の毎日…コンビニに行った。
そして、彼も夏休みだから、一杯バイトに入ってたんだと思う。

よく会うようになった。
まぁ、それは勿論彼がお店に来てるだけなんだけど…。

そして、私はいつもの様にサイフをチラ見した。
すると…!名前が…!名前が見えたのだ。

そこには…タナカ ジロウ
(思い切り仮名 本当はもっと素敵なお名前です☆)


私は、その日を境に今まで以上に彼を意識し始めたのだ。

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